製品案内
スピニング・コーン・カラム SCC100 【新モデル】
スピニング・コーン・カラム(SCC)は、約40年前にフレーバーテック社により開発され、香気成分の回収装置として高く評価されてきました。特に、香料、お茶及びコーヒー業界においては、香気成分の回収という点において、最良の選択肢と好評を得ています。
これまで、既存のSCCモデルの処理能力が、それぞれ1,000L/hと10,000L/hであったことから、処理量の比較的多いアプリケーションが対象とされていました。
このため、より小さなモデルの開発を要望する声が多くありました。このような要望を受け、より小さく、コンパクトなモデルであるSCC100が開発されました。この装置は、大型モデルと同等の機能及び能力を有し、ラボでの試験機として、また、高付加価値かつ処理量の少ないアプリケーションでの使用が想定されています。
大型モデルで製造を行っている場合、製造条件やアロマ構成の最適化のための試験機としてSCC100を使用することが可能です。
また、例えば、トロピカルフルーツや植物エキスのような高単価原料から回収したアロマの開発等に使用することも可能です。
SCC(Spinning Cone Column)
スピニング・コーン・カラム
SCC (オーストラリアのフレーバテック社開発)は、遠心力および重力によって薄膜状になった原料と蒸気を向流接触させることにより、揮発成分を原料から効率よく回収することのできる気液向流接触カラムです。SCCを用いることにより、原料に含まれる揮発成分の品質を変化させることなく、原料に含まれていたときと同じ状態でこれを回収することができます。また、連続式であることから、品質の均一化にも貢献します。
SCCの元は1936年に開発されたカラムです。このタイプのカラムの有用性は、重水製造時の同位体の分離に使われ、その高性能が証明されました。戦後、オーストラリアの科学者、ドナルド・カシミア博士によりアメリカコーネル大学でカラムの商業利用が研究されました。その後、同博士はCSIRO(Commonwealth Scientific & Industrial Research Organization)のメンバーとしてさらに高効率に大量生産を可能にした方法を開発し、今日のSCCの原形となっています。
IES(Integrated Extraction System)
SCCをシステムの中核として、コーヒーや紅茶等のスラリーから高品質なアロマの回収およびエキスの製造を目的とする設備です。IESは連続式で、香気成分の回収と可溶性固形分の抽出を連動させることができます。主にスラリー調製工程(湿式粉砕)、香気成分回収工程(SCC)、高温抽出工程(RDC)、固液分離工程(遠心分離機等)、清澄化工程(膜処理等)、および濃縮工程(CT等)から成ります。IESはモジュラー式なので、個々の製造ニーズに応じて容易に工程を変更することが可能です。